2022年1月1日付 京都新聞「日本人の忘れもの 知恵会議」に彌榮自動車取締役社長 粂田佳幸の挨拶が掲載されました
2022/01/01
三つ葉のクローバーと友禅流しの真心
粂田 佳幸 彌榮自動車株式会社 取締役社長
新型コロナウイルスの影響が続く中、この状況を乗り越えようとする京都の胎動を実感する出来事として「修学旅行の観光バスが走り出しましたね」とお話しいただくことが多くありました。「一生に一度の修学旅行なので、今年こそは!」と熱意あふれる先生方と、生徒の皆さんとご一緒できたことをとてもうれしく思います。
ヤサカ観光バスの車体デザインは昭和期の京都画壇を代表する日本画家で、工芸デザイナーの先駆けとしても活躍した三輪晁勢氏(1901~83年)によるものです。車体に「鴨川の友禅流し」を大胆に表現しています。1953(昭和28)年の観光バス開業以来、この車体デザインは、間もなく70年となりますが、京都の伝統文化が織り込まれた工芸デザインとして色あせることはありません。工芸デザインの研ぎ澄まされた心地よさには時代を超える力があることを実感します。
すべてのヤサカの車両が掲げる三つ葉のクローバーは、創業以来の精神を分かりやすく表現した「安全」「快適」「信頼」を意味しています。当社は芸舞妓さんをお送りする「おふれまい」など京都ならではの仕事で育てられてきました。人との触れ合いが制限される状況下にあっても、「一期一会」を真心で接し、さわやかな心の触れ合いから生まれる心地よさを大切にしていきたいと思います。